ISO30414の意味とは?導入するメリットや手順を解説

ISO30414とは、ISOによって発表されたガイドラインのことです。今、ISO30414への取り組みに注目が集まっています。この記事では、ISO30414について知りたい方に向けて、その概要や注目される理由、導入するメリットや手順などについて解説します。導入時の注意点も解説するため、ぜひ参考にしてください。

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ISO30414とは

そもそも、ISO30414とは何なのでしょうか。以下では、ISO30414の概要と具体的な項目について解説します。

ISO30414の概要

ISO30414とは、ISOにより2018年に発表された人的資本情報開示のガイドラインのことです。ISOとはスイスのジュネーブにある「International Organization for Standardization」を略したもので、日本では「国際標準化機構」と呼ばれています。国際標準化機構では、国際的な標準規格を制定するなどの活動を行っています。

人的資本の定義は明確には定まっていませんが、個人が持っている知識やスキル、資質などを資本とみなした考え方を指すケースが一般的です。ガイドラインでは、11の領域に関する指標を示しています。

11の具体的な項目

ISO30414では、11の領域について具体的な項目を示しています。ISO30414で示された項目は以下のとおりです。

  • 1.
    コンプライアンスと倫理
  • 2.
    コスト
  • 3.
    ダイバーシティ(多様性)
  • 4.
    リーダーシップ
  • 5.
    企業文化
  • 6.
    企業の健康・安全・福祉
  • 7.
    生産性
  • 8.
    採用・異動・離職
  • 9.
    スキルと能力
  • 10.
    後継者育成計画
  • 11.
    労働力確保

このように、コンプライアンスから採用などにかかるコスト、労災などの企業の運営に関係する指標から、個々のスキルやリーダーシップの特徴、管理職に対する信頼度など幅広い領域についての指標が示されています。事業の規模や内容に関わらず、すべての企業に適用できるガイドラインです。

ISO30414が注目されている2つの理由

ISO30414が注目を集める理由は2つあります。以下では、それぞれの理由について詳しく解説します。

ESG投資への注目度が高まっている

ESG投資とは、「Environment(環境)」「Social(社会)」「Governance(企業統治)」の三つの頭文字を取った言葉です。企業をさらに成長させるには、ESGを重視した投資が必要です。

そのため、従来のように「儲かっているかどうか」を投資の判断基準にするのではなく、ESGに配慮しているかどうかを基準にする投資家が増えています。ISO30414で示された指標に沿って情報開示することにより、結果としてESGへの取り組みを重視していることがアピールでき、持続的な成長が見込める企業として評価されやすくなります。

人的資本の価値向上が重要視されている

企業において、人的資本の価値向上を重視するという考え方が浸透しつつあります。IT技術が進化しデジタル化が進む社会において、商品やサービスはコモディティ化してきています。コモディティ化とは、高付加価値を持った商品が一般化することです。

このように、商品やサービスに高い付加価値をつけるのが難しい時代において、人だからこそ創り出せる価値への需要が高まっています。そのため、自社の人的資本を把握し、その価値を最大限に発揮することが重要であり、ISO30414への注目が集まっているのです。

ISO30414における国外・国内の現状

ISO30414の概要や注目される背景について理解したところで、国外・国内の現状について解説します。

国内の現状

国内では、2022年10月時点で人的資本の情報開示は義務付けられていません。しかし、情報開示への関心は高まりつつあり、関連する動きも見られてきています。国内でのISO30414に関する動きとしては、以下のようなものが挙げられます。

  • 経済産業省により、人材版伊藤レポートが公表される(2020年)
  • コーポレートガバナンス・コードが改訂される(2021年)
  • 2022年10月時点

このように、義務化こそされていないものの対応が進んでおり、いずれ人的資本の情報開示が求められると考えられています。

国外の現状

国外では、アメリカのSEC(証券取引委員会)が2020年に人的資本の情報開示を義務化しました。これにより、上場企業においても情報開示が求められています。

また、ヨーロッパなどの銀行でもISO30414に沿った人的資本の情報開示が進んでいます。実際に、ドイツ銀行の傘下であるDWS社は、2021年に世界で初めてISO30414の取得企業として認定されました。このように、世界ではISO30414の導入が増加傾向にあるようです。

ISO30414を導入する効果・メリット

ISO30414を導入することで、そのような効果やメリットが得られるのでしょうか。以下では、二つのメリットを解説します。

多様なステークホルダーに情報開示ができる

ISO30414に沿って情報開示をすることで、投資家をはじめとしたさまざまなステークホルダーに対して人的資本の状況を伝えられるようになります。実際に、投資家の間では人的資本が投資判断に影響すると考えられており、情報開示の重要性は高まっているようです。

また、採用力強化にもつながります。人的資本の情報公開により求職者も情報収集しやすくなります。人的資本の情報開示を行うことで、「人材育成に力を入れている」「この会社なら成長できる」と思ってもらえるなど競合との差別化が図れます。

人事戦略における課題解決につながる

人材資本は、外部に開示するという目的だけではなく、自社の人事戦略にも活用できます。ISO30414の指標に沿って人的資本を数値化することで、自社の人的資本の把握につながり課題の発見なども可能です。今まで気づけなかった課題を把握でき、スピーディーに改善施策を立案、実行することもできます。

たとえば、「採用コスト」に課題がある場合には、コストを削減するために必要な施策を考え、すぐに実行に移せるようになります。

ISO30414を導入するためのステップ

ISO30414導入の流れを把握しておきましょう。以下では、導入のステップについて解説します。

1.指標に関するデータを収集する

まずは、どの指標に関するデータを収集するのかを検討しましょう。ISO30414で示されている指標は、人事だけではなく財務やコンプライアンス、従業員の健康面やスキルなど、さまざまな領域にわたります。そのため、どの指標に関するデータを集めるのかによって、他部署との連携が必要になるなど、部署の垣根をこえて行わなければいけません。

なお、現状日本では人的資本の情報開示に関する義務はないため、公開する項目は自社で判断して構いません。

2.開示する情報を整理する

データを収集したあとは、改めて開示する情報を整理しましょう。収集した数値やデータの関係に注目して分析し、どの項目が自社のKPIになっているのかを確認します。どのような原因があり、どのような影響が出ているのか、データ同士の関係性を見ていきましょう。そのうえで、開示する内容を精査し、分かりやすい形に整えます。

3.データを有効活用する

データは開示するだけではなく、社内で有効活用することも重要です。社内データを一元管理できるツールなどを活用して、必要なときすぐにデータを活用できる仕組みを構築しましょう。この際、データから浮き彫りになった課題があれば解決のための施策を検討し、優れた部分があれば今後も推進できるように対応していくのがよいでしょう。

企業でISO30414を導入する際の注意点

人的資本は情報開示がゴールではありません。人的資本を開示することで得られるメリットも多くありますが、本来は自社の人的資本に関する状況を把握し、改善することが重要です。現状よりもさらに自社が成長してより良い企業となるように、常に検証と改善を繰り返していくことが大切です。

このような試みを繰り返していくことで、結果としてステークホルダーからの評価向上につながり、企業としての信頼やイメージがアップします。

まとめ

ISO30414とは、ISOによって発表された人的資本の情報開示に関するガイドラインです。ESG投資への関心の高まりや、人的資本の価値向上などが重視されるようになったことで、ISO30414が注目を集めています。国内では情報開示の義務はありませんが、世界では情報開示の義務化が進んでおり、日本でも徐々にISO30414への対応が進みはじめているようです。

AKKODiSでは、人的資本経営のコンサルティングを提供しています。「ISO30414」に沿った人的資本の情報開示だけでなく、経営戦略と連動した継続的な人材戦略をサポートします。自社のビジネスを強化するために、ぜひ相談してください。

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