人的資本経営とは?注目を集める理由や実践ポイント、メリット、企業事例を解説

経営の考え方として、人的資本経営を実践する企業が増えてきました。この記事では、人的資本経営の概要とともに、注目を集めるようになった理由を解説します。日本と海外の人的資本経営の取り組みの違いや3P・5Fモデルについても解説するため、ぜひ参考にしてください。

人材活用に関するお役立ち情報をお送りいたします。

人的資本経営とは

人的資本経営とは、企業における従業員の能力や経験、意欲などを資産と捉え、その価値を最大限に引き出すことによって、中長期的な企業価値向上を目指す経営手法です。ここでは、人的資本経営が従来の経営とどのように異なるのか、また国内外における動向はどのようになっているのかについて解説いたします。

そもそも、人的資本経営とは

経済産業省では人的資本経営の重要性を強調しており、下記のように定義しています。

人的資本経営とは、人材を「資本」として捉え、その価値を最大限に引き出すことで、中長期的な企業価値向上につなげる経営のあり方です。

  • 人的資本経営では、従業員のスキルアップや職場環境・文化の改善などを通じて、従業員一人ひとりの成長を促します。その結果、生産性向上やイノベーションの創出につながり、中長期的な企業価値向上を実現することができます。

    人的資本経営と従来の経営の違い

    人的資本経営と従来の経営の違いは、人材の捉え方にあります。従来の経営では、従業員を「資源」として捉えていました。資源はコストとして消費されるモノであり、効率化やコスト削減が基本とされています。

    一方で、人的資本経営では従業員を新たな価値創造の「資本」として捉え、個の能力や経験、意欲などを最大限に生かすことを目指します。経済産業省は中長期的な企業価値向上を実現する鍵として、この経営手法の重要性を説いています。

    日本国内の動き

    日本国内では、人材版伊藤レポートの発行や有価証券報告書への人的資本情報開示義務化など、人的資本経営に対する機運が高まっています。特に注目されているのが、「岸田内閣による人への投資強化発表」や「東京証券取引所と金融庁のコーポレートガバナンス・コード改訂」です。

    岸田内閣は主要政策として、リスキングによる能力向上支援や多様な働き方の促進を掲げています。また、金融庁は、企業内における中核人材の多様性確保を提言しています。

    これらの動きは、企業の開示する非財務情報の質と量を向上させることを目的とした「非財務情報の開示指針研究会」や、非財務情報の可視化を目的とした「非財務情報可視化研究会」の発足と連動しています。これらの政策は、企業の社会的責任の明確化と透明性の向上を目指しており、経済の発展において重要な転換点といえるでしょう。

    諸外国の動き

    諸外国では、企業の社会的責任の明確化と透明性の向上を実現するために、人的資本の開示が注目されています。特に欧米の上場企業では、2020年に人的資本情報の開示が義務化されており、この動向はISO30414の導入によってさらに加速しています。

    ISO30414は、人的資本情報開示に関するガイドラインであり、従業員の健康、安全、育成などの幅広い領域をカバーしています。このガイドラインに準拠することで、企業は世界的な指標で人的資本の管理と報告ができ、投資家を含めたあらゆるステークホルダーからの信頼獲得につながります。

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    人的資本経営が注目されている背景

    人的資本経営が注目されている背景には、世界的な潮流や働き方の変化、日本が抱える少子高齢化問題などが挙げられます。それぞれ詳しく見ていきましょう。

    経営評価の世界的な潮流

    経営評価の指標として、「SDGs(持続可能な社会の構築に貢献する取り組み)」が世界的に注目されています。特に、目標8「働きがいも経済成長も」別ウィンドウで開くは、企業が生きがいのある仕事を推進するとともに、社会的責任を果たしながら経済的にも成功することを目指す重要性を示しています。この目標に沿って、経営者は従業員の生きがいや満足度を重視し、持続可能な企業価値向上を目指すことが求められています。

    ステークホルダーの意識変化

    近年、投資判断を下す際に、直近の業績や有形資産だけでなく、人的資本含む無形資産も包含して企業価値を見定めるケースが増えており、ステークホルダーの意識が大きく変わってきています。これは、ステークホルダーが人的資本を企業価値向上の重要な要素として捉えていることを示しています。そのため、企業は効果的な人的資本経営を推進することが求められているのです。

    多様な人材、多様な働き方の浸透

    ダイバーシティ&インクルージョンの浸透に伴い、多様な人材・働き方の受容が進み、従来のマネジメントでは対応できない場面も増えています。この社会変化に柔軟に適応するためには、実体に則したマネジメント体制・評価制度を構築する必要があります。そこで重要になるのが、経営・組織・人事戦略であり、その道しるべとなるのが人的資本経営なのです。

    技術革新による人的資本価値の高まり

    第三次人工知能(AI)ブームによって技術革新が急速に進み、従業員一人ひとりが業務の効率化や自動化を簡単に実現できるようになりました。そのため、AIでは代替が難しい創造性や対人スキルなどを持つ人材の重要性が高まりました。その結果、AIに代替できない業務や能力、経験などへの投資が進み、より人的資本の価値が高まっているのです。

    少子高齢化による労働人口の減少

    少子高齢化は日本の深刻な課題であり、労働人口の減少に大きく起因しています。この状況は、一人当たりの生産性向上が急務であることを示唆しています。企業は、効率的な業務プロセスの確立や技術革新の積極的な採用により、限られた人材を最大限に活用できる戦略策定・環境整備を進める必要があります。このような観点からも、人的資本の価値を最大化する人的資本経営の取り組みは注目されています。

    人的資本経営のメリット

    人的資本経営は人材データによる経営判断や従業員のスキル向上、生産性向上などに寄与し、中長期的な企業価値向上を実現する経営手法として注目されています。人的資本経営が企業にどのようなメリットをもたらすのか具体的に説明します。

    ESG投資によるステークホルダーからの信頼獲得

    企業は環境(Environment)、社会(Social)、企業統治(Governance)の観点から評価されます。特に人的資本経営はESGの「社会(Social)」に該当し、経営の核として重視されています。従業員一人ひとりの価値を最大限引き出すことで、持続可能な企業成長や企業価値向上を促進し、投資家や従業員などのステークホルダーから信頼を獲得することにつながります。

    企業ブランドの向上

    人的資本経営を取り入れることで従業員の満足度が高まり、企業の生産性向上はもちろん、社会に良い印象を与えることができ、企業ブランドの向上につながります。実際に取り組む際には、継続的なリスキリングや健康管理を通じて、従業員と企業の双方が成長するサイクルを生み出すことが重要です。

    人材データの可視化

    人的資本経営を推進する際には、自社に在籍する従業員のアセットを可視化する必要があります。この可視化は組織内の強みと弱みを把握するのに役立ち、戦略的かつ定量的に人材育成や配置転換を進めることを可能にします。また、適材適所を実現することで、従業員エンゲージメント向上による離職率低下やリファラル採用増加などにもつながるでしょう。

    経営戦略と連動した従業員の能力向上

    経営戦略と自社の人材ポートフォリオを連動させることで、人材育成において注力すべき領域や対象が明確になり、企業にとって最適な投資活動が行えるようになります。その結果、従業員のスキルや市場価値が向上し、企業における生産性向上やイノベーション促進につながります。

    人的資本経営で情報開示が求められる7分野19項目

    人的資本の開示項目は7分野19項目存在し、従業員の健康・福祉、多様性・包括性、スキルの開発、労働条件、人材の流動性、生産性、さらにはリーダーシップと企業文化に至るまで広範囲に及びます。それぞれの項目について詳しく確認していきましょう。

    人材育成
    • リーダーシップ
    • 育成
    • スキル/経験
    エンゲージメント
    • エンゲージメント
    流動性
    • 採用
    • 維持
    • サクセッション
    ダイバーシティ
    • ダイバーシティ
    • 非差別
    • 育児休業
    健康・安全
    • 精神的健康
    • 身体的健康
    • 安全
    労働慣行
    • 労働慣行
    • 児童労働/強制労働
    • 賃金の公正性
    • 福利厚生
    • 組合との関係
    コンプライアンス/倫理
    • コンプライアンス/倫理

    分野1:人材育成

    人材育成は開示が必須とされている分野で、「リーダーシップ」「育成」「スキル・経験」の3項目が含まれています。具体的には、従業員一人当たりの研修時間や投資費用、多様な研修プログラムの準備、人材定着に関する取り組みの策定です。これには、後継者育成計画やスキルアップの機会提供、優秀な人材を組織内で維持するための戦略的な人材育成なども含まれています。

    分野2:エンゲージメント

    エンゲージメントは、従業員が仕事にやりがいを感じ、職場環境や業務内容に満足しているかどうかを開示する項目です。具体的には、エンゲージメントサーベイの結果やエンゲージメント向上に関する取り組みを開示します。

    分野3:流動性

    流動性は、「採用」「維持」「サクセッション」の3項目が含まれています。具体的には、離職率や定着率、採用・離職コストなどの情報を開示します。

    分野4:ダイバーシティ

    ダイバーシティは、開示が必須とされている分野で、「ダイバーシティ」「非差別」「育児休業」の3項目が含まれています。具体的には、男女の賃金格差や属性別の従業員・経営層の比率、男女別の育児休業取得数、福利厚生の格差などの情報を開示します。

    分野5:健康・安全

    健康・安全は、「精神的健康」「身体的健康」「安全」の3項目が含まれています。具体的には、労働災害の発生率や健康・安全に対する取り組み、安全衛生マネジメントシステムの導入状況などが開示され、企業のリスクマネジメントと従業員の福利厚生への取り組みを示す指標です。

    分野6:労働慣行

    労働慣行は、「労働慣行」、「児童労働/強制労働」、「賃金の公正性」、「福利厚生」「組合との関係」の5項目が含まれています。この分野では、企業と従業員が公正公平な関係を築けていているかどうかを開示します。これらの情報は企業の社会的責任と信用につながり、公正な労働環境の構築に寄与します。

    分野7:コンプライアンス/倫理

    コンプライアンス/倫理は、「法令遵守」を項目としています。企業が法令を遵守し、社会的規範や倫理観に基づいた活動をしているかを測る指標です。業務停止件数や苦情・差別事例の件数および対応措置、そしてコンプライアンスや人権に関する研修を受けた従業員の割合などを情報開示します。

    人的資本経営の実践で役立つ3P・5Fモデルとは

    3P・5Fモデルは、伊藤レポートで紹介された人的資本経営を実現するフレームワークです。3P(Perspectives)は、企業価値向上につながる人事戦略を策定する際にチェックするべき3つの視点であり、「経営戦略と人材戦略の連動」、「As is‐To beギャップの定量把握」、「企業文化への定着」を指します。5F(Common Factors)は、企業価値向上につながる組み込むべき5つの要素であり、「動的な人材ポートフォリオ」、「知・経験のダイバーシティ&インクルージョン」、「リスキル・学び直し」、「従業員エンゲージメント」、「時間や場所にとらわれない働き方」を意図しています。

    3P(Perspectives:視点)

    3Pについて、それぞれ定義を確認していきましょう。

    視点1:経営戦略と人材戦略の連動

    経営戦略を実現するためには人的資本が必要不可欠なため、経営戦略と人材戦略を密接に連動させることが重要です。したがって、経営戦略をもとに求める人材像を明確にし、採用や育成、配置転換などの戦略を策定する必要があります。

    視点2:As is - To beギャップの定量把握

    経営戦略と人材戦略を連動させ、人的資本経営を実現するためには、現状と目標のギャップを定量的に可視化するとともに具体的な課題を把握し、打ち手のPDCAサイクルを回していくことが欠かせません。ギャップが埋まるように人材戦略を見直し、施策を改善することで目標達成に近づきます。

    視点3:企業文化への定着

    人的資本経営には、従業員が強みや個性を発揮できる文化醸成が重要です。企業理念やパーパス、ミッション、バリューなどを明文化し、経営層やマネジメント層が繰り返し発信し続けるとともに、コンピテンシー評価などに組み込むことで従業員一人ひとりが当事者意識を持てるようにする必要があります。

    5F(Common Factors:共通要素)

    5Fについて、それぞれの内容を見てきましょう。

    要素1:動的な人材ポートフォリオ

    動的な人材ポートフォリオは、現在自社の従業員が保有しているスキルや経験などを可視化したものです。人材ポートフォリオを最新の状態に保ち続けることで、自社に必要な人材の明確化や適材適所の配置転換などを戦略的に進めることができるようになります。

    要素2:知・経験のダイバーシティ&インクルージョン

    顧客ニーズが多様化しているビジネス環境においては、さまざまな経験やスキル、価値観を持った人材を受け入れ、それぞれの個性を尊重することが持続的な企業価値向上につながると考えられています。また、多様な人的資本による相乗効果はイノベーションを促進し、飛躍的な企業成長を実現する可能性を秘めています。

    要素3:リスキル・学び直し

    リスキル・学び直しは、企業成長に必要不可欠な要素です。経営戦略と動的な人材ポートフォリオを連動させ、注力すべき育成領域・対象を明確にすることで、効果的なリスキル・学び直しを実現できます。変化するビジネス環境に適応する人材は、事業を推進する上で欠かせない存在となるでしょう。

    要素4:従業員エンゲージメント

    従業員エンゲージメントは、従業員が所属している組織に対して抱いている愛着や働きがい、思い入れなどを意味します。従業員一人ひとりのパフォーマンスを最大化するために、主軸となる変数です。従業員エンゲージを向上するためには、多様なキャリアパスの提供や働きがい向上に向けた組織・制度設計が必要です。

    要素5:時や場所にとらわれない働き方

    時や場所にとらわれない働き方は、災害や感染症などの緊急時に効果的な取り組みになります。また、採用活動においても母集団形成の制約が減るため、より要件に合致した人材の採用を可能にします。時や場所にとらわれない働き方を実現する方法としては、リモートワーク、フレックスタイム制、時短勤務などの導入が考えられます。また、制度導入だけでなく、業務プロセスの見直しやチャットツールの導入などを含めたコミュニケーション方法の見直しも同時に進めるとよいでしょう。

    人的資本経営を実践する3ステップ

    人的資本経営を実現するためには、具体的な人材戦略やKPI設定が欠かせません。また、組織目標と一致した人材を確保・育成し、目標と現状のギャップを埋める取り組みを継続する必要があります。ここでは人的資本経営を実践する具体的な3ステップをご紹介します。

    経営戦略に紐づいた人事戦略の策定

    前述のとおり、経営戦略を実現するためには人的資本が欠かせません。そのため、人事戦略を単独で策定するのではなく、経営戦略と連動させて策定する必要があります。

    具体的には、経営戦略における自社のありたい姿と現状を比較することで人事に関する課題を抽出し、人事戦略の実現によって課題を解決することを目指します。戦略策定の際には人事データを可視化し、経営や各組織と共通認識を持っておくとスムーズに合意形成が図れるでしょう。また、抽象的な戦略ではなく、実行すべき項目などを明確化にした戦略を策定することで、実現可能性を高めましょう。

    KPIの設定と施策の検討・実行

    人的資本経営は一朝一夕に実現できる経営手法ではないため、中長期的な目標や戦略、計画を策定することが重要です。そのため、As is - To be分析によって目標と現在のギャップを定量的に可視化とともに戦略や計画を練り上げ、いつまでに何を達成するかKPIを設定することが欠かせません。また同時に、KPIを達成するための施策の検討・実行につなげる必要があります。

    施策の効果検証と改善

    ビジネス環境が常に変化している昨今では、やみくもに施策を実行するだけでは目標やKPIを達成することが難しくなっています。施策を行った後は、効果を可視化・検証し改善することが重要です。効果検証を行わずに施策を実行し続けると、費用対効果が合わない結果や、目標・KPIの未達に陥ることもあるので注意しましょう。

    人的資本経営を実践するポイント

    人的資本経営を実践する際に、何を意識して進めていくべきか指標となるポイントを解説します。

    人的資本の可視化

    1つ目のポイントは、人的資本の可視化です。経営戦略や人事戦略、それに連動した施策を検討する際には、人的資本を適切に可視化した情報を参照します。そのため、捉えにくい人的資本を適切に可視化することが、人的資本経営の第一歩となります。 実際に人的資本を可視化する際には、可視化の方法やステップなどが記載されている人的資本可視化指針を参考に進めるとよいでしょう。

    人的資本情報開示を行う

    2つ目のポイントは、実際に人的資本情報開示を行うことです。開示する際には、さまざまな方法が考えられますが、企業独自で開示する場合や、有価証券報告書・統合報告書で開示する場合などがあります。ただし、一部の企業は有価証券報告書において人的資本の特定項目を開示することが義務付けられています。

    開示する際に注意するべきことは、人的資本情報開示を目的化しないことです。人的資本情報開示の目的を明確にするとともに、企業価値を最大化する人的資本投資を推進することで人的資本経営の実現につながります。

    人材戦略を推進するリーダーを設置する

    3つ目のポイントは、戦略人事のプロフェッショナルであるCHROやHRBPのポジションを設置することです。

    CHRO(Chief Human Resources Officer)とは、最高人事責任者のことであり、経営陣の一員として、企業のビジョンや目標達成に必要な人材戦略の策定と実行をリードします。一方、HRBP(Human Resources Business Partner)は、事業部門と人事部門との架け橋となる役割を担い、事業の目標達成に必要な人材の確保、育成、配置を支援し、事業部門のパフォーマンス向上に貢献します。

    人的資本経営を推進するリーダーとしてCHROとHRBPを設置することで、人事戦略の立案や施策の実行および進捗確認、企業文化の醸成、ステークホルダーとの会話などがより促進されるでしょう。

    事例からみる人的資本経営

    本章では人的資本経営に取り組む企業の事例を紹介します。

    主体的かつ自律的なキャリア形成の支援(三菱ケミカル株式会社)

    三菱ケミカル株式会社では、人的資本経営の実現に向けて主体的・自律的なキャリア形成を支援しています。具体的には、従業員の主体性を意識し、社内公募制度を導入することでキャリアオーナーシップを持った人材配置を実現しています。また、上司と部下の双方向コミュニケーションを強化するために1on1などの面談機会を設けることで、キャリア形成においてより良い選択ができるように環境整備も行っています。

    これらの施策は、3P・5Fモデルにおける「企業文化の定着」視点や、「動的な人材ポートフォリオ」「従業員エンゲージメント」要素に関連する取り組みです。

    イノベーション創出のための多様な人財の活用・組織風土変革の取組(キリンホールディングス株式会社)

    キリンホールディングス株式会社では、人的資本経営の取り組みとして多様な人財の活用・組織風土変革を推進しています。例えば、女性リーダーの育成において、女性従業員がライフイベント前に職務経験を積む「早回しのキャリア形成」や、リーダーを目指すためのスキルと機会を醸成する「キリンウィメンズカレッジ」などに取り組んでいます。また、若手従業員が企業内大学を設立し風土改革を推進しており、イノベーション創出のための環境・文化醸成も進んでいます。

    これらの施策は、3P・5Fモデルにおける「企業文化の定着」視点や、「知・経験のD&I」「リスキル・学び直し」要素と密接に関わっており、人的資本経営に大きく貢献しています。

    「成長活性化制度」としてのOKRの導入(花王株式会社)

    花王株式会社では、従業員一人ひとりの成長を促進するために成果重視から挑戦重視へと移行する制度改革に取り組んでいます。具体的には「ありたい姿や理想に近づくための高い挑戦的な目標設定」と定義したOKRを導入し、従業員自ら掲げる大きな目標への挑戦を通じて、個人の成長とともに会社や社会の発展を目指しています。

    この施策は、3P・5Fモデルにおける「As is‐To beギャップの定量把握」「企業文化への定着」視点や、「動的な人材ポートフォリオ」「従業員エンゲージメント」「時間や場所にとらわれない働き方」要素に関連しており、人的資本経営の一翼を担っています。

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    人的資本経営は、一部企業で情報開示の義務化が始まり、今後も経営において重要視される考え方の1つです。変化の激しい時代において、企業の在り方や従業員の在り方は変わっています。企業側からの戦略にもとづく適切な働きかけを行うことで、企業価値向上につながっていきます。

    人的資本経営を取り入れていくには、経験豊富なAKKODiSの支援を活用することで、効率的かつ、継続的に効果を発揮する経営が可能となります。AKKODiSでは、形式上のデータ開示にとどまらない、「真の人的資本経営」をサポートしています。一時的な支援ではなく、企業価値が正しく向上するよう、継続的なサポートを提供しています。

    まとめ

    人的資本経営は、中長期的な企業価値向上や持続的成長に必要不可欠な経営手法です。ビジネス環境の変化から日本でも注目度が高まっており、実際に取り組みを始める企業が増えています。

    人的資本経営を実践する際には、経営戦略と人材戦略を連動させ、従業員にとって働きやすい環境を整えることが大切です。そうすることで、従業員のパフォーマンスが最大化され、自社のビジョンやミッション達成に近づくことができます。

    AKKODiSでは、人的資本経営のコンサルティングを提供しています。「ISO30414」に沿った人的資本の情報開示だけでなく、経営戦略と連動した継続的な人材戦略をサポートします。実践的な人的資本経営を目指す際には、ぜひ相談してください。

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