子育てを経て「頼る」ができる自分に。
グループマネージャーでありママでもある、私のキャリアステップ。

 

#ママGM #育児と仕事 #キャリア形成 #頼らない自分から頼る自分へ

結婚、妊娠、出産、子育てとキャリア形成。この狭間で悩む女性も少なくないのではないでしょうか。今回は、産休・育休を経て現在もエンジニアとして活躍を続けるソリューションサービス第5グループ グループマネージャーに話を聞きました。

仕事一筋で生きていく。そう思っていた新人時代。

私はもともと、「女性だから」みたいな甘えを持って生きたくない、自立した一人の大人として生きていきたいという意志が強くあったタイプ。だから就活生の頃は、「将来困らない仕事」という点を考慮して仕事選びをしていたんです。そこで目指すようになったのが、ITコンサルタントでした。今後ITを使わない会社はないだろうし、困っている人も多いはず。だから将来性の高い領域なのではないかと思ったんです。

しかし、コンサルタントは「実務経験がないと良い提案ができない」と聞いて……現場経験が積める職を探し始め、VSN(現AKKODiSコンサルティング、以下AKKODiS)のエンジニア職に辿り着きました。AKKODiSのエンジニアは現在「テックコンサルタント」と呼ばれ、現場業務に加えて企業や事業の課題解決を実行する役割も果たしています。当初のコンサルタントになりたいという想いは、AKKODiSとの出会いによって現実になってきているんです。

そして新人研修後に初めて参画したのは、通信会社の委託プロジェクトでした。そのお仕事内容が、もうものすごく面白くって!携帯が電波にどうやってつながっているのか……その仕組みや最新の技術を知ることができる仕事で、先輩方もみんな楽しそうでしたよ。ただ緊急対応もある職場だったことも相まって、誰かと暮らすイメージもあまりなく「この先もずっと仕事一筋で生きていくだろうし、結婚も出産もしないだろう」と思っていました。

キャリアが途絶える不安は、「制度」と「上司」が和らげてくれた。

当時の女性の上司にはこうした人生観は共有していましたし、交際していた彼のことも相談していました。すると会話の中で「結婚しても出産しても仕事できるでしょ」と言われたんですよね。その言葉に「たしかに、別に一人でいなければいけない理由ってないな」と妙に腹落ちしたのもあって、結婚に踏みきりました。

でも妊娠や出産に対しては、やはり不安は感じていました。こんなに楽しい仕事なのに、一度出産で現場を離れたらキャリアが途絶えてしまうだろうな、と。さらにその時期にチームリーダー昇格の話が出ていたこともあり、「出産するなら休まなければいけないという事実がある。ではいつなら産めるのだろう」という不安も抱えていました。

当時、自分の周りには出産を経て復職している女性がほとんどおらず、出産後のキャリアイメージがついていなかったことも、不安を生む原因だったかもしれません。でも会社としては、時短勤務や復職後の休暇制度など、制度自体はきちんと整っていたんですよ。上司も制度がある事実を教えてくれましたし、「やってもないのに不安になる必要はない」と激励もしてくれました。こうした後押しもあって、無事娘を出産し、復職することができたんです。

働き方を変える提案のおかげで、子育てもキャリアアップもできた。

週末には愛娘と一緒にキッチンで料理をすることも。

復職時に就いたのは、産休前とは違う派遣先企業。時短勤務を受け入れてくれるクライアントだったことに加え、以前と異なる経験もしてみたいという意向を汲んでもらいアサインされた現場でした。最初は時短勤務で、子育てとのバランスを鑑みながらフルタイムへ切り替えていきましたが、娘が4歳になる頃、彼女の体調の関係で急な欠勤が増えてしまって。クライアントも私に仕事を振りにくくなり、互いにモヤモヤした時期が続いてしまいました。

そこで上司が、私の状況を丁寧にヒアリングしてくれたんです。家庭事情によって急な休みが増えてしまっていること、派遣の職場が自宅から距離がある点もネックになっていること。実情を素直に伝え、以前いた委託プロジェクトへ戻ることを提案してもらえました。
また、キャリアがマネジメント側に移行していくタイミングであり、プロジェクトを動かすPMの経験がないと次に進めないのではないかという懸念があることも共有。ちょうど委託プロジェクトのPMポジションが空くタイミングだったこともあり、結果的に運良く子育てとキャリアのステップアップを両立することができました。

ありがたいことに、派遣先のクライアントも私のことをすごく気に掛け、親身に相談に乗ってくれたんです。こんなにも協力体制をつくってもらえたのは、日頃の業務のなかで課題を見つけ、自主的にクライアントの課題解決に取り組んでいたからかもしれません。お互いのことを深く思いやり、助け合う。そんな関係が築けていた気がします。

「誰にも頼らない」自分から「どんどん頼る」自分へ。

自分自身、出産や子育て関係の社内制度を全く知らなかった人間の一人。こうした人を減らすために、社内SNSで積極的に制度情報を発信するようになりました。同時期に出産した先輩と集まって、どう発信していくかを企画したこともあります。

さらにこの社内SNSには、子育て中の社員たちのグループがあるんです。「そろそろこの風邪が流行り始める頃ですね」「保育園の関係書類の準備が必要な時期です」など、子育てに関するお役立ち情報がもりだくさん。ここを見るだけで育児のことがだいたいわかるので、ものすごく助かっています。子ども関係のサービスを利用するときも、ネットの口コミを見るより、社内の顔がわかる人の口コミの方がやっぱり安心ですね。

振り返ってみると、この数年間は「誰にも頼らず自立した人間として生きていく」という考え方から、子育てと仕事の両立を通して「いろんな人にどんどん頼っていこう」というマインドに切り替わってきた期間だったのかもしれません。

さらに子育てを通して大きく変わったのが、時間の使い方やものごとの優先順位の付け方。
子育ては毎日が予想外のことだらけです。想定外のことが起きてもどう割り切って進めていくかを試されてきました。仕事も「明日はあたりまえにやってくるわけではない、急に休むかもしれない」という感覚がベースになり、翌日に出勤できなかった場合に備えて、毎日メモを残してから退勤するようになりました。この感覚は、育児をしていないと気付けなかったと思います。

誰にでも長期休職の可能性はある。休みや将来に不安のない未来を描く。

今では社内での産休・育休制度の認知度も上がり、ここ2〜3年は男性の育休取得も増えてきました。「育休を取ります」と伝えたときに怪訝な顔をする人は一人もいません。制度を利用する仲間に「おめでとう!」という言葉をかける、そんな環境が育まれています。

クライアント先で業務をしていると「休みにくいんじゃないか」と思われがちですが、実はそんなことはありません。むしろ自分がいない間は他の人をアサインして業務を円滑に進める、という方法がとりやすい業務形態なんです。

私の場合は出産と育児を理由にお休みしましたが、「長期で休む」というのは何も出産や育児に限った話ではないはず。家族の介護をしなければいけない場合も、自分が急に入院するケースもあります。誰にでもあり得る、決して特別なことではないという事実をもっと多くの方に知ってもらい、受け入れ合う風土にしていきたいですね。

また、「仕事もプライベートも楽しく充実して過ごせる人を、もっと増やしたい」というのも今後の目標のひとつ。私がこうしてキャリアや人生のプランに悩みながら歩んできたように、みんなそれぞれ自分の将来に悩みを持っています。まずはそんな一人ひとりと向き合い、一緒にその先のビジョンを描いていける力を身につけたい。そしてその力を伝えていくことで、さらに伴走できる人の輪が広がるといいなと思います。

PROFILE

河内
Platform Business事業本部キーアカウント第1事業部
ソリューションサービス第5グループグループ・グループマネージャー

2009年に新卒で株式会社VSN(現AKKODiSコンサルティング株式会社)に入社。約3年間の委託プロジェクト勤務を経て、2014年に第一子を出産。産休・育休を取得したのち、2015年に復職。9歳の女の子の母として、そしてグループマネージャーとして活動中。

関連コラム

HRメディア に戻る

AKKODiSコンサルティングに関するお問い合わせ