セールスエンジニアとはどんな職業?営業職との違いも解説

公開日:2019.12.24

ITエンジニア職種
 

セールスエンジニアは、システムエンジニアとしての知識とスキルを生かして営業活動を行う職種です。システムの提案の際は技術的な解説や専門的な質疑応答をするほか、システムの導入時には、仕様の作成などを担当します。

ここでは、セールスエンジニアの仕事内容や一般的な営業職との違いについてご紹介します。

セールスエンジニアとは?

セールスエンジニアとは、システム開発や製品の販売を主とする企業に勤務し、システムエンジニアとしての技術的な専門知識やスキルを有しつつ、営業活動を行う職種です。

営業としてのコミュニケーション能力と、システムエンジニアとしての能力を両方もち、顧客と自社エンジニアチームの間に立って業務を行います。

セールスエンジニアの役割

セールスエンジニアの役割は、営業とシステムエンジニアの両方の知見を生かし、クライアントに対してより具体的で技術的な提案を行うことです。技術力を生かして素早く正確に仕様書を作成したり、高いコミュニケーション能力を生かして自社エンジニアチームに的確に説明したりします。

クライアントからの技術的な依頼や質問を、都度自社エンジニアチームに確認し折り返していると応対に非常に時間がかかります。セールスエンジニアはその場で応対することが可能なため、特にスピードを求められる案件などで重要な役割を担います。

セールスエンジニアになるには?

セールスエンジニアを目指す場合、どのような方法があるのでしょうか。ここではすでにシステムエンジニアとして活躍している人、営業職に就かれている人、未経験の人の3つの立場から、それぞれセールスエンジニアを目指す方法を解説します。

1.システムエンジニアから目指す場合

すでにシステムエンジニアとして活躍している人の場合、追加で営業職としてのスキルを身につけていくことになります。営業職のスキルは経験によって得られるものも多いため、思い切ってセールスエンジニアに就いてしまい、働きながら営業スキルを磨くことをおすすめします。

2.営業職から目指す場合

営業職からセールスエンジニアを目指す場合、不足しているシステムエンジニアとしての知識を身につけていくことになります。自社で勉強会を行っている場合は、そういったものに積極的に参加することはもちろん、IT系のスクールに通ったり、しっかり時間をとって独学することも検討しましょう。

日々の営業活動の中でも、わからなかった単語や技術を意識して振り返るようにし、エンジニアとしての知識を少しずつ上げていくことも大切です。このように、営業職から目指す場合は徐々にセールスエンジニアに近づいていくことになります。

3.未経験から目指す場合

未経験から目指す場合、営業職として働きつつシステムエンジニアの勉強をするか、システムエンジニアとして働きつつ、営業の経験を積むかの2つの方法があります。最初は、自分がもっているスキルと照らし合わせて、より経験が生かせる職につくのがよいでしょう。

セールスエンジニアの具体的な仕事内容

セールスエンジニアの仕事は、大きくわけて営業活動とアフターサポートの2つに分かれます。順番に解説します。

技術の知見を生かした営業活動

クライアントが抱える課題解決のため、技術知見を生かして自社サービスを提案する営業活動を行います。自社サービスがクライアントの課題をどのように解決できるのか技術面から訴求することで、より説得力のある提案が行えるのが強みです。

導入サポートとしての窓口

営業担当として、システムを導入した後のサポート窓口も担います。セールスエンジニアが担当するサービスは、導入後も中長期に渡ってクライアント企業で活用されるものが多いため、導入後も継続的に信頼を積み重ねて関係性を深めていく役割が求められます。

セールスエンジニアと営業との違いとは?

セールスエンジニアと営業は、自社の商品をクライアントに売り込み、クライアントの課題を解決するという点においては同じですが、売り込みに際しての担当範囲やクライアントから求められる知識・スキルなどが異なります。

担当範囲の違い

営業とセールスエンジニアはどちらも「売り込む」という点では同じです。その中でセールスエンジニアは、技術的な解説を重点的に行い、自社サービスのメリットや機能についてより説得力のある提案を行います。提案以外に仕様や納期の調整なども担当範囲となります。また、セールスエンジニアは自社商品やサービスが導入された後のアフターフォローも兼ねることが多く、その際は技術的なサポート窓口の役割も果たします。

一方の営業職は、初期のヒアリングのほか、提案の際にコストメリットや競合優位性などの説明を行い、クロージング(案件を受注にもっていく)までを担当します。もちろん自社サービスの説明にも携わりますが、細部についてはセールスエンジニアに任せて、システムで解決できる課題や、競合、費用などの、案件化に向けて重要な部分を担います。

求められる知識・スキルの違い

セールスエンジニアは、クライアントの課題解決のため、仕様を固めて提案できる技術的な知識が重要です。また、自社エンジニアチームに仕様を展開する必要があるため、技術的な知識以外にマネジメント力やコミュニケーションスキルも必要になります。これ以外にも、自社サービスについて技術的な質問に答えられるように自社サービス全体の知識も求められます。

一方の営業職は、提案初期にクライアントの課題を聞き出すためのヒアリングスキルが重要です。また、自社サービスの競合優位性やコスト比較など、クライアントの業界全体の知識も必要になります。これ以外に、案件を受注につなげるクロージングスキルも重要になります。

セールスエンジニアにおすすめの資格

ここからは、セールスエンジニアにおすすめの資格を紹介していきます。

基本情報技術者試験

日本では、情報処理の促進に関する法律を元に、情報処理技術者としての資格を設定しています。この資格制度は大きく4つのレベルに分かれています。

まずご紹介する、基本情報技術者試験は、この情報処理技術者試験制度におけるスキルレベル2(下から2番目)に相当する国家資格です。テクノロジーやマネジメント、セキュリティなど幅広い分野の基礎的なITの知識と技術、初歩的な実務レベルの実力があることを保証する資格となり、セールスエンジニアとしてはクライアントに対して基礎的な技術力を証明できる資格ともいえます。

合格率は20~30%前後ですが、より上位資格を目指すためにも取得しておきたい資格です。

ITストラテジスト試験

ITストラテジスト試験は、情報処理技術者試験制度のスキルレベル4(最高難易度)に相当する、高度情報処理技術者試験です。企業の経営層と共に、事業戦略・事業計画の段階からシステム化計画の立案と実行を主導します。高度な経営戦略知識とIT戦略知識に加え、コンサルティング能力をもち、経営者の目線で提案できる能力を証明する資格です。

経営企画やCIO(シーアイオー)(最高情報責任者)、ITコンサルなどの経営に携わるポジションを想定した内容となっており難関資格ですが、取得することによってセールスエンジニアからキャリアアップを目指すことができます。

クライアントの声を直接聞けるのがセールスエンジニアの魅力!

セールスエンジニアは幅広い知識とスキルが求められますが、提案段階から、導入後の運用まで対応することができ、クライアントの課題解決を一貫してサポートできる職種です。また、導入後もサポートを続けるためクライアントの声を直接聞くことができ、やりがいを感じられる仕事です。

IT化が進む中で今後も需要が伸びていくことが予想されるセールスエンジニアは、営業職やシステムエンジニアからのキャリアパスとして、とてもよい選択肢となります。現在営業職に就いているものの技術的な部分にも興味がある、システムエンジニアだが提案にも興味がある、といった人は一度、セールスエンジニアへのキャリアパスを考えてみてはいかがでしょうか。

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(2019年12月現在)

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