CADオペレーターに将来性はある?今後の需要や独立する方法まで詳しく解説

公開日:2019.11.26

ITエンジニア職種
 

CADオペレーターは、将来的にはAI(人工知能)に仕事を奪われるともいわれています。CADオペレーターが長期的に継続できる仕事なのか、不安に感じている人も多いのではないでしょうか。

この記事ではCADオペレーターの将来性やキャリアアップの方法について解説します。CADオペレーターとしてキャリアアップを目指したいとお考えの方は、ぜひ参考にしてください。

CADオペレーターとは

CAD(キャド)というソフトを操作するオペレーターを、CADオペレーターといいます。CADとは、建築や工業デザインなどで使用される、設計図面を作成するためのソフトです。

CADオペレーターの仕事内容は、主に図面データの作成・修正・管理などが挙げられます。設計者やデザイナーが設計した手描きの設計図をCADの図面データに落とし込んだり、設計者などから要望を受けて既存の図面データを変更したりといった作業を行います。

そのためCADオペレーターとして必要なスキルは、単にCADソフトの操作だけではなく、製図に関する専門知識や、いかに設計者のイメージをCADソフトを使って表現できるかといった能力も含まれます。

CADオペレーターの年収

CADオペレーターの年収は、一般的には300~400万円といわれています。経験豊富でスキルが高ければ500万円以上になることもありますが、実務経験や年数に左右されます。

未経験で入社した場合とベテランでは当然年収は異なります。20代前半の平均的な年収は200万円台後半ですが、30代になれば300万円台前半へと上がることが多いです。10年以上の経験を積み、さらに高いスキルがあれば、年収600万円台も夢ではありません。

また、「CAD利用技術者」や「建築CAD検定」などの資格をもっていれば、月に5,000円~1万円程度の資格手当がプラスされることもあります。

CADオペレーターは長く働ける

CADオペレーターは技術職なので、高いスキルをもっていれば長年働き続けることが可能です。実際に、CAD登場前の設計が手描きだった時代から設計作業に携わり、現在はCADを活用して図面データを作成している60代女性も存在します。つまり、歳を重ねたとしても技術を身に着けておけば、個人事業主やフリーランスとして活躍できる可能性は十分あるということになります。

また、現場で活躍する以外にも、CADソフトや製図の講師としてCADオペレーターを目指す人を指導するという働き方もあります。

CADオペレーターとCAD設計者の違いについて

CADオペレーターと名称が似ている職業として、CAD設計者があります。CAD設計者は、CADソフトを使って主に設計を行う職種です。

CAD設計者が自ら設計を行うのに対して、CADオペレーターは設計者やデザイナーの設計をもとに図面データを作成するという違いがあります。CADオペレーターは、いわば設計者などをサポートする役割です。そのため、CAD設計者の方が設計の専門知識に加えて、法律や工学、環境などに関する幅広い知識を求められる傾向にあります。

CADオペレーターの将来性

CADオペレーターの将来性が危惧されている理由として、AIの発達により業務が代替されてしまう可能性が挙げられます。図面データの作成だけであれば、CADソフトを単に操作できるだけのCADオペレーターは淘汰されてしまうと言われているのです。

しかし、設計者のクセや微妙なニュアンスを理解したうえでのデータ作成や修正、感情の機微を読み取るコミュニケーションなどは、機械が代替することは難しいでしょう。

仕事相手とのコミュニケーションやコンサルティングなど、人間にしかできない業務もあります。業務内容の差別化を図っていくことができれば、CADオペレーターはこれからも長く働ける職業であるといえます。

AI時代にCADオペレーターとして活躍し続けるには

AI時代において、CADオペレーターとして長く活躍し続けるには、コミュニケーション力を強化するほかに、3次元CADなどの新しい技術や知識を日々学び続ける姿勢が大切です。

従来の2次元CADは、線や円などを使って平面図や立面図を描くことで紙に描かれた図面を具現化するので、操作も比較的易しめでした。これに対して3次元CADは、直方体や球などを使って建物などの立体形状を表します。2次元CADは平面図ですが3次元CADは立体図のため、完成図を想像しやすいのが特徴です。

製造業や建設業、自動車メーカーなど、業界によっては3次元CADが主流になっており、オペレーターの需要も高まっています。しかし、3次元CADが使える人材は不足しているため、長く働き続けたい人は3次元CADにもチャレンジしてみるとよいでしょう。

CADオペレーターは独立して働きやすい職業

CADオペレーターは在宅でもできる仕事です。パソコンがあればどこでも図面データを作成でき、メールなどで納品することもできます。そのためフリーランスという形態と相性がよく、独立しても働きやすい職業です。そこで、CADオペレーターとして独立するにはどのようなスキルが必要か、独立する方法についても解説します。

独立するために必要なスキル

単にCADソフトが操作できるだけでは、CADオペレーターとして独立はできません。人よりも短時間で、正確にきれいな図面データを作成できるだけではなく、差別化のためにはプラスαのスキルが必要です。

たとえば、クライアントの要望を図面データへと正確に反映できるコミュニケーション能力が挙げられます。やり取りを通して、手描きの設計図には反映されていない要望や好みなどを汲み取り具現化することで高評価を得られます。

また、知り合いの会社などのコネクションを活かして仕事を獲得するスキルも重要です。会社から仕事をもらえる従業員とは異なり、フリーランスでは自ら仕事を開拓する必要があるからです。

独立する方法

CADオペレーターがフリーランスとして独立するには、まず独立する前に企業から仕事をもらえるようコネクションを作っておくことよいでしょう。たとえば、派遣社員やアルバイトからスタートしてもよいので、実際に企業に勤務しておくと、仕事ぶりを認められて在宅の仕事を獲得できるケースもあります。

実際には、何もコネクションがないところから在宅で仕事を始めるのは難しいでしょう。経験やスキルを積むためにも、一度は企業でCADオペレーターとして就業しておいたほうが、独立後に仕事を獲得する上でもおすすめです。

CADオペレーターの今後の需要

CADオペレーターは今後、「設計やデザインもできる人材」と「事務や管理などCAD関連の周辺業務もこなす人材」の2方向に分かれる可能性があります。

現在、設計だけではなくCADの操作もできる設計者やデザイナーが増えてきています。CADオペレーターとして長く働くには、設計者と肩を並べて働けるようになるか、設計者のサポート業務全般まで携わるか、柔軟に働き方を変えていく必要があるでしょう。

また、CADは建築・土木、アパレルやジュエリー、インテリア、自動車や家電などのメーカーや、福祉など多くの業界で需要があります。今後もCADオペレーターとして活躍するためには、高まる需要に対応できるように、スキルを磨いておくことが大切です。

CADオペレーターに向いている人

CADオペレーターは、多くの業界から需要がある将来有望な仕事です。それでは、どのような適性があれば、業界の需要に応えられる人材として活躍できるのかを解説します。

真面目に丁寧に取り組める

CADオペレーターは、真面目で丁寧に業務に取り組める人が向いています。なぜなら、コツコツと図面データを作成し、スキルを日々磨き続けることのできる人でなければ、仕事を続けていくことが難しいからです。

ひとつのことに対して腰を据えて取り組むことができ、地道で細かい作業も苦痛に感じない人が向いています。たとえば、壁を描くために線を引く作業において、線をたくさん引くという一見同じように見える作業でも、壁の構造や部材などを理解して線で表現する必要があります。このような作業に細やかに取り組める几帳面さが必要です。

ものづくりに興味がある

CADオペレーターは、ものづくりに携わる仕事であるため、ものづくり自体への興味があるとよいでしょう。また、設計やデザインをCADソフトでいかに具体的に表現するかという仕事でもあるため、設計やデザインへの興味も必要です。

建築、自動車などのメーカー、アパレルなど、CADオペレーターとして携わる業界でのものづくりに興味をもち、どのようにCADソフトで表現すればもののデザインが伝わるかという視点を持つことが大切です。CADオペレーターとして経験を積めば、設計者やデザイナーなどへのキャリアアップの道につながる可能性もあります。

集中力がある

CADオペレーターには、集中力も必要です。なぜなら、わずかな入力ミスが後工程で設計ミスへとつながり、時間のロスや他スタッフへの負担を引き起こす可能性もあるため、緊張感をもって作業をすることが求められるからです。

そのため、集中力を保ちながら、細心の注意を払って仕事へと向き合う姿勢が大切です。製図データの作成・修正においては、細かな作業に長時間取り組むので、緻密な作業を苦痛と感じずに集中力を保って取り組めることも適性のひとつとして挙げられます。

CADオペレーターとして働くならAKKODiSへ

CADオペレーターは、人間だからできるコミュニケーション能力や、3次元CADなどの新しい技術を磨き続け、業界から求められるスキルを身に着けることで、長く働き続けることが可能な仕事です。

CADオペレーターとして就業したいと考えるなら、「AKKODiS」の活用をおすすめします。AKKODiSの派遣・紹介予定派遣では仕事の紹介だけでなく、IT・エンジニアリング領域に特化し、エンジニアのキャリアサポートを行っています。CADオペレーターとしてのキャリアを積みたいと考える方は、AKKODiS(派遣・紹介予定派遣)への登録別ウィンドウで開くをぜひご検討ください。

(2019年11月現在)

AKKODiSコンサルティングに関するお問い合わせ